イギリスの情景で何故か一番懐かしみを覚えるのが、
ロンドンの「地下鉄」と「公園」である
公園はともかく「何で地下鉄?」と
自分でも不思議に思うのだが、
映画や雑誌やポストカードなどで、
イギリスの風景を見ていても、
一番懐かしい、恋しい、ほっとする感じがするのが、
ロンドンの「公園」、そして、「地下鉄」の情景である
地下鉄は、「世界最古」といわれるだけあって、
100年以上前からの古い駅が多い
レンガで建てられたりしていて、
イギリスに行く前に
「ロンドンの地下鉄はほこりだらけで、
空気が汚いから、
地下鉄に乗った後に鼻をかむと、
黒いのが出てくるよ。」
と言われた
そして、本当なのかな?と
実際に鼻をかんだら、
黒くなった
それくらい古いし、
すすもほこりも多いのだと思う
乗り換えなどで、
違うホームまで行くのにも、
ながーいエスカレーターで移動したり、
通路も永遠と続いていたり、
出口までもかなり歩くことがある
何故地下鉄に懐かしみを覚えるのだろう?
と情景を思い出していたら、
そこに「演奏家」がいた
ながーい通路を人々が忙しく歩く中、
ロンドンの地下鉄には「演奏家」がいる
正確には「演奏家達」だ
通路が長いので、同じ駅でも、
少し離れたところにも居たりする
みんな忙しく通り過ぎて行くし
私も立ち止まって長い間演奏を聴いたことはない
でも、行き交う人の中で、
地下鉄と言う日常の一コマの中で、
美しい音楽を奏でている人達がいる
そんな忙しく早足で行き交う人達と
自分たちの音楽を奏でる演奏家達という
相容れないようにも思える2つの要素が
普通に混在している毎日の地下鉄の情景が
好きなんだと思う
イギリス人の誰かから
ロンドンの地下鉄の演奏というのは、
誰でも勝手に出来るわけではなくて、
オーディションか何かできちんと
選考された人達だと聞いた
どおりで質が高いんだなぁと思った
1人でTシャツにジーパンで、
アコースティックギターと歌の人も居れば、
きちんとした黒のスーツを着た
バイオリンやチェロなどクラシックな
楽器の人達も居た
民族的な楽器の人も
ドラムセットの人も
手作りぽい楽器の人も
アコーディオンの人も
立ち止まらないけど
姿が見える前から音楽が聴こえてきて
今日の予定など考えながら
横目で演奏家達を通り過ぎ
見えなくなってもしばらく音楽が
聴こえてる
そんな毎日の地下鉄の情景が好きだった
思い出していたら、
無性にロンドンの地下鉄が懐かしくなって来た
この際、鼻が汚れるのは受け入れるしか無い
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